雨と風の白いスクリーン。今日の夕立はスゴかったですね。被害も出ていたようです。
でも過ぎた後の風は気持ちよかった。皆さんは何処で過ごしていましたか?
このところの蒸し暑い夜を、何気なく手にしたこの本でうっちゃりました。
「深海のYrr ”イール”」。著者はドイツ人、フランク・シェッツィング。写真によればなかなか男前。
上・中・下3巻で文庫1500ページオーバーの長篇ですが、読む時間が待ち遠しかった。

ノルウェー海で無数の異様な生物が発見され、カナダではクジラやオルカが船を襲い始める。
海洋異変は陸上も巻き込み、世界中に拡がる。母なる海でなにが起きているのか。
”ドイツのマイクル・クライトン”と評される物語は、膨大な知識に裏打ちされた現代自然科学、
状況描写の中で、架空の登場人物と実在の研究施設、科学者、探査機器が共になり、
地球規模の自然異変? 地球外生命? 国家の陰謀?
読み進むまでどこに落ちるのか、確信が持てない展開です。
日本人の感覚からすると海外作品特有のまわりくどさは若干、感じられるかもしれませんが、
エンターテインメントとして一級品だと思います。こっち方面が好きで時間のある方はぜひ。
ハリウッドでの映画化も決定しているそうで、シェッツィング本人はジョージ・クルーニーなどの
出演を望んでいるらしい。本書中には「アビス」などの映画を、既存事実として
登場人物が語る場面もあり、映画化を意識していたとも思わせる。
根底には自然破壊への警鐘もあるわけだが、昨今、至る所で叫ばれる
「地球が危ない」という言われ方には違和感を覚えている。
ヒトからすれば永遠とも言える時間を経た地球には、人類の存在など瞬きにも
足りないのではないか。地球は人類や全ての動植物が滅亡しようとも意に介さず、
その環境を変え時が来るまで存続していくのではないか。
「危ない」のは人類と、私たちが変えてしまった自然、全ての動植物たちだろう。地球ではなく。
本書で語られる「すべてはひとつ」という言葉が印象に残る。
さて、昨日のiPhone祭り。参加された方それぞれ、いろんな物語があったようです。
無事に手に出来た皆さま、きっといい思い出になったと思います。
嬉しそうでなにより。いいなー。
本文中の画像・動画は ”Amazon” より。